グッチ
馬具向けのアイテム販売から始まったブランド
グッチの創業者であるグッチオ・グッチ(Guccio Gucci)は、1881年にフィレンツェで生まれた貧しい帽子職人の息子でした。
10代の頃に故郷を離れてロンドンに渡ったのちに再びイタリアに戻り、そこで上流階級をターゲットにした乗馬用のアイテムを販売していきます。
ロンドンにいたときのグッチはサヴォイ・ホテルでベルボーイとして働いていたのですが、そこを訪れる国際色豊かな宿泊者たちを見ているうちに、そうした上流階級の人たちが身につけるための装身具を売るということを思いついたとされています。
故郷に戻ったときにはロンドンで培ったセンスとイタリアの革製品の製造技術を融合させるということを前提にしたデザインを考えており、現在も販売されているグッチの代表的デザイン「ホースビット」もこのときに生まれています。
グッチが自分の店を始めた時代は丁度ヨーロッパで戦争が起こっていた時であり、しばしば材料となる素材が不足するという事態が発生しました。
そこで代用品としてジュードやリネン、ヘンプといった素材で製作をするということを考え付き次第にそちらがブランド製品のメインとなっていきます。
革製品に頼らないことがグッチの成長になる
当時は高級服飾品といえば革製品が主流だったのですが、上記のような事情もありグッチはあえて革製品をメインにしないという方向に舵切りをしたことがブランドとしての成功につながりました。
革の使用量が少ないということは今もグッチの特徴となっており、キャンバス地や椰子・柳の枝を織り込んだ製品は今も人気製品となっています。
中でもグッチのキャンバスバッグは人気の定番で、エレガントながらも使い勝手のよい高級感のあるデザインが象徴的です。
もう一つの定番品「バンブーバッグ」はグッチの二代目社長であったアルドが考案したもので、馬具メーカーとして出発をしたということが伺える鞍を意識したデザインが大変特徴的です。